「もし9月に日銀が“予想外の一手”を打ったら、円相場はどうなると思いますか?」
アメリカは利下げ、日本は利上げ――。そんな真逆の動きが現実になったら、為替も市場も一気にひっくり返る。
でも公式発表や新聞には決して書かれない、“裏のシナリオ”が水面下で動いている。
果たしてその瞬間、円は跳ねるのか、それとも沈むのか――。
この続き、聞かずにスルーできますか?

要点を一目でチェック!
「利上げは急がない」日銀スタンス

- 7月30日、日本銀行の政策決定会合が開かれた。
- その後の記者会見で、植田総裁はこう話した。
「金利がインフレに比べて遅れているとは思わない。今すぐ利上げしないリスクは特に高くない」 - パウエル議長は「簡単なことを難しく言う」タイプだが、植田総裁は「言葉をわざとねじる」クセがある。
- 結局、「利上げは急がず、ゆっくりやる」という意味だ。
- その結果、利上げ期待が消えて、円は弱くなった。
- そして8月、ジャクソンホール会議に植田総裁も参加した。
- そこで「賃上げが大企業から中小企業まで広がっている。労働市場はタイトで賃上げ圧力は続く」と発言した。
- 「労働市場がタイト」とは、求人は多いが働き手が足りない状況のことだ。

賃上げは一過性じゃない?

- 日本の賃上げは一時的ではなく、需給バランスによる“構造的な問題”だと示した。
- 植田総裁は「賃上げから始まる健全なインフレが必要だ」と繰り返している。
- もし賃上げが定着してインフレを刺激しているなら、それは利上げの合図になる。
- 実際、日銀は2024年3月にマイナス金利を終わらせ、同年7月には金利を0%から0.25%へ引き上げた。
- さらに2025年1月には0.5%に追加利上げを実施。その後は4回連続で据え置いている。
- 7月時点では「9月利上げはない」と思われていたが、ここに来てじわじわ可能性が出てきた。
- もし9月に「アメリカは利下げ、日本は利上げ」となれば、相当面白い展開だ。
- そうなると米日金利差は一気に縮まる。

金利差縮小で動くマネー

- 金利差が縮まれば、これまで米国に流れていたお金の一部が日本に戻ってくる可能性がある。
- そこにプレッシャーをかけているのが、米国のベサント財務長官だ。
- 彼は8月14日のブルームバーグのインタビューでこう言った。
「日本はインフレ問題を抱えている。対応が遅れたからこそ利上げでコントロールすべきだ」 - 米財務長官が他国の金融政策を公に批判するなんて、滅多にない。

- しかも、ベサント長官の圧力は今回が初めてではない。
- 6月の財務省報告でも、円についてこう述べていた。
「日銀は円安を正常化し、米日間の貿易バランスを整えるべきだ」 - 「円安を正常化」とはつまり「円を強くしろ」という意味だ。
- 円安が進めば日本企業は有利になる一方で、アメリカの製造業がダメージを受けるからだ。

9月?それとも来年?

- ベサントは「日銀が利上げして円を強くすれば、ドル高の負担が減る」と見ている。
- ただし、9月に日銀が利上げする確率はわずか7%しかない。
- 多くの予想は「9月ではなく来年1月利上げ」だ。
- とはいえ、植田総裁の発言やアメリカからの圧力を考えると、9月や10月に利上げする可能性は7%よりは高まっている。

アルファ禅インサイト: 9月、マーケットの地雷原
9月はFOMCだけ見て安心していたら足をすくわれる。
日銀会合とセットで考えなければ、マーケットの罠に真っ先に引っかかるのはあなたかもしれない。
アメリカが利下げ、日本が利上げ――その確率は低い? そう、低い。でも“ゼロ”じゃない。
もし同時に動けば、為替は大津波、株式はジェットコースター、投資家の心拍数はApple Watchが警告を出すレベルだ。
だからこそ大事なのは「起きない前提」じゃなく「起きたらどうするか」のシナリオ。
市場は常に「まさか」で動く。9月、その“まさか”に踊らされるか、それとも仕切るか。



