why gold prices are rising

金価格が止まらない!史上最高更新の裏に潜む“FRB劇場”と“ベトナムショック”(feat 金価格, FRB, トランプ, ドル, ベトナム, 金融政策, 投資, 市場, 需給, ポートフォリオ)

なぜ金が、いま史上最高を突き破っているのか?
インフレでも、ドル安でもない。
表向きの解説では見えてこない“もうひとつの理由”が、世界の裏側で静かに動いている。

FRBの独立性を揺るがす政治劇と、誰も想像しなかった新興国の決断。
その二つが重なったとき、金は単なる「安全資産」から、一気に「市場の主役」へと化ける。

ニュースや専門家の語る“もっともらしい物語”を鵜呑みにしてはいけない。
本当に知るべきは、派手な舞台の裏で動く地味でシンプルな力学だ。
もしそれを読み解けるなら、あなたの投資の視界はまるで別物になるだろう。

gold prices on the rise

[イントロ:グイッと上昇、理由は何?]

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金価格が史上最高値まで上がっている。
金が上がる理由として、FRB(米連邦準備制度)の独立性が損なわれたからだ、とするメディアが多い。
その“独立性の毀損”とは、リサ・クックFRB理事の解任問題を指す。
クック理事の解任が本当に金高騰の原因かは断言できないが、足元の進捗はこうだ。
裁判所は、クックFRB理事の解任に関する第一回審理を開いた。
ジアコブ連邦判事は初回審理でトランプ政権の主張を鵜呑みにせず、追加の法理検討を求めた。
約2時間にわたる双方弁護人の口頭弁論を経て、ジアコブ判事はクック側弁護人に書面意見の提出を命じた。


[法廷攻防:主張と反論、火花パチパチ]

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来週の火曜日までに、この解任措置が不当だと裏づける具体的な法的根拠を示せ、という趣旨だ。
トランプ政権は連邦法廷で、次の論理により解任には十分な理由があると主張した。
「住宅ローン詐欺の疑いがFRB理事任命前の出来事だとしても、中央銀行の理事としての信用を損なう。」
「大統領に与えられた広範な行政権を根拠に、FRB理事に対する解任制限は違憲だ」としている。
これに対し、クック理事の弁護側は次のように反論した。
「大統領が主張する解任理由の“本音”は、クック理事が利下げに協力しないこと、それだけだ。」
クック理事は、すべての疑惑は「根拠がなく未立証」であり、今回の解任の試みは明白な政治的報復だと明言した。

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[独立性ショック?から需給へ:理屈から現実へ]

このクック解任イシューが金価格に影響する、というロジックはこうだ。
FRBの独立性が大統領によって無力化されると、米ドルの信認に疑念が生じ、投資家は政府や中央銀行の統制から距離を置ける金へ資金を移す。
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その理屈は、たしかに成り立つ可能性がある。
しかし、最近の金高騰は、もっとシンプルな需給の話かもしれない。
需給を動かし得る政策変更が、2025年8月26日に発表された。
ベトナムである。

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[ベトナム解放:独占解除でマーケット開口]

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2025年8月26日、ベトナム政府は金塊の生産と取引に関する国家独占を終了すると決めた。
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つまり、ベトナムの金市場が民間に開放されるということだ。
ベトナムは2012年から、中央銀行のみが金の生産・輸出・輸入を独占する政策を運用してきた。
この法令により、金の宝飾・工芸の生産加工、宝飾品取引、金塊の生産・売買、金の輸出入、さらには口座ベースの金取引や金デリバティブなど、あらゆる金取引が規制されてきた。
その独占を解除し、一般の商業銀行やその他の機関も金塊の生産や金取引を行えるようにしたのだ。
ベトナムはアジアで中国・インドに次ぐ、第3位の金消費国だ。

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[価格の歪み→調整:吸い込み効果でチラッと高値]

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自国通貨ドンがドルに対して10%以上弱含み、資産保全手段としての金需要が強かった。
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これまでは政府の独占のせいで、ベトナム国内の金価格は国際相場より大きく割高だった。
1両(37.5g)での国際相場はおよそ1億ドンだが、現地では約1億1500万ドンで取引されている。
現地の金店に行くと、「思ったほどは高くなかった」という体験談も語れるくらいだ。
ベトナムでは家内工業レベルの低品位の金も多く流通している。
独占が解ければ輸入が増え、国内の金価格は国際水準へと下がり得る。
言い換えれば、世界市場の金が一時的にベトナムへ吸い込まれるということだ。
ベトナムの国内価格は国際水準に近づく一方、短期的にベトナムに需要が集中して、グローバルな金価格を刺激する可能性がある。

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【アルファ禅インサイト:真実は意外と足元に】

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結果を見ながら原因を語るのは、誰にでもできる芸当だ。
解説者は得てして、大衆が「それっぽい」と頷きやすい理屈を並べ立てる。
しかし、真実がいつもそんな華やかな舞台にあるとは限らない。
むしろ、見た目は地味で退屈に見える場所にこそ、答えが眠っていることがある。
今回の金高騰の要因がベトナムの政策にある、と断定するつもりはない。
せいぜい「ひとつの可能性」であり、新聞や動画の解説をそのまま信じ込むのは危険だ。
市場は物語に酔うが、投資家は醒めた目でその裏を読むべきだろう。
PS)結局のところ? 金を少しポートフォリオに忍ばせておくのは、ただの保険ではなく、むしろ市場と上手に付き合う“粋な余裕”なのかもしれない。

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